干物と雪
干物の私が、ぶらさがっている
ツカレに疲れて、ぶらさがっている
心も涙もカラカラで
かろうじて、竿に引っ掛かり
風まかせに揺れている
時の竿に揺れている
雪が しらしら 降ってきた
しらしらと
干物の私に、降ってきた
やわらかく優しい雪が
降ってきた
あぁ雪よ
おまえはなんて残酷か
私の心をみだすのか
カラカラの
干物にしみこむ
おまえの死体
おまえの死体が流れ落ちる
あぁ雪よ
おまえはなんて哀しいものか
私の涙の
身がわりになるのか
しらしらと
干物にしみこむ
おまえの死体
おまえの死体が流れ落ちる
干物の私が濡れている
雪の死体に揺らされて
あぁ雪よ
おまえはなんて
おまえはなんて塩からい
何かをしみださせるか
私のとうに干からびたーーーーー
2004年の冬に大学へ提出した作品です。